後継者・事業承継の失敗事例を簡単にわかりやすく解説4

後継者・事業承継の失敗事例を簡単にわかりやすく解説4

子どもを後継者にして事業承継に失敗した事例(3)

事例4−1 副社長の指導が行き過ぎて事業承継に失敗した事例

I社は、不動産業として中堅の企業です。先代社長が若くして起業したこともあり、脇目もふらず仕事一筋に頑張ってきました。そのために結婚が遅れて、子供ができたのは41歳になってからでした。したがって、社長が72歳で後継者に事業承継したとき、後継者はまだ31歳という若さでした。

先代の社長には、長く片腕として仕えてくれていた59歳の副社長がいました。息子が若いこともあり、副社長にも代表権を与えて、後見人とすることにしました。副社長は責任感の強い人で、何とか若社長を一人前にしようとして、細かい点まで指導しようとしました。しかし、後継者からみると、副社長のやり方はいかにも古く、やろうとすることにことごとく反対するように感じました。後継者は社長とは名ばかりで、実際には副社長が何でも決めるので、次第に経営意欲を失い始めました。

若い後継者の芽をつぶしている原因は何か?
  • 先代社長が過去の功績と、これからの経営に対する役割を混同して区分できていいない
  • 過去の功績のある副社長に代表権まで与えてしまったので副社長の権力が圧倒的に強くなっている
  • 後継者の能力が高かったとしてもこのような状況の下ではまったく実力を発揮できない
  • 先代社長が後継者から相談を受けても、押さえつけるだけであり、両者の中を改善しようとしない
  • 主役は後継者であり、副社長はあくまでも後見人であるという役割を明確にする必要がある・・・etc.
若い後継者を早く一人前にするためのポイントは?

若い後継者が暴走しそうな場合には歯止めをかける必要がありますが、状況判断が的確で、着実に改革を進めようとしている場合には、暖かく見守ってあげて、支援することが大切です。

社長の座を譲った以上は、最高責任者は社長であり、会長や副社長は社長を補佐する役割ということを、社内外に明確にすることが必要です。もし副社長が後継者を押さえつけるようでしたら、退任を迫ることが望ましいのです。できるだけ後継者と同世代か下のパートナーを組織化してあげましょう。

←後継者の失敗事例を簡単にわかりやすく解説へ

タイトルとURLをコピーしました