事業承継と親族相続を区分する
以前は、会社を次の代に引き継ぐときに先代経営者が最も気にしたのは、法人税や相続税をいかに節約するかということでした。そして、後継者が期待したことは、会社を継ぐと財産も引き継げるという甘い考えでした。しかし、このような時代は終焉しました。
事業承継は、かつての税金対策という問題から、会社の存続という問題に変化しました。後継者選びを誤ると、会社は消滅して、個人保証をしている先代も、それを引き継いだ後継者も財産を失う可能性が大きいのです。
これからの事業承継は、会社の承継と個人資産の承継をしっかり分けて考える必要があります。先代が持つ資産や負債を、どのよう に分配すれば会社が存続できるのかをしっかり考えて、最善の方法を実行しなければなりません。