事業承継とは?Q&A形式でわかりやすく解説3 後継者教育
Q13.事業承継の後継者の子どもは一度外に出すべき?
後継者をどう教育するかは、本人の性格や資質などにもより、これが正解というものはありません。したがって、一度外に出して修業させるか、すぐに社内に入れて業務を覚えさせるかは、それぞれにメリット、デメリットがあり、一概にどちらがよいかはいえません。ただし、もし社外に出すのであれば、取引先など経営者の影響力がある所は避けて、まったく無関係の所に務めさせるほうがよいでしょう。
Q14.事業承継の後継者には何の仕事をさせますか?
会社の業種にもよりますが、子どもが後継者として会社に入社したら、最初の半年くらいは、工場、倉庫、配送など、汗を流す仕事を体験させるとよいでしょう。後から良い経験と思えるはずです。この仕事は半年で十分です。その後は、営業を体験させます。事業の要は営業ですし、外部との人間関係もできますから、ここで管理者になるまで育成します。営業部門で一人前になったら、経営企画室長など、社長の側に置いて、会社全体の動きを理解させて、社長の考え方や仕事ぶりに直に触れられるようにします。
Q15.事業承継の後継者はどんな役職に就けるべきですか?
後継者として子どもを入社させるに当たって、最初はどのような役職に就けるべきなのでしょうか。これは子どもの年齢や社会経験によって決めるのが妥当です。新入社員として入社したのであれば、当然平社員から始めさせるべきです。他の会社である程度経験を積んでいるのなら、中途入社の一般社員とバランスを取って、課長や次長などからスタートさせます。つまり、最初の役職は特別扱いはしないで、本人の実力によって上がってくるように仕向けることが大切です。
Q16.事業承継の後継者にどんな知識が必要ですか?
事業承継の後継者は社長として会社を運営していくわけですから、様々な知識が必要になります。その中でも、特に重要なのは、経理・財務知識とマーケティング知識です。最低限でも自社の決算書を読んで経営分析ができる程度の知識は学んでおく必要があります。また、売上を伸ばすための具体的な手法を構築できることも必要です。理論を学んで現場で実践し、現場で学んだことを理論で整理する。この双方向を通じて、一人前の経営者になることができるのです。
Q17.事業承継の後継者の教育はどうすればよいですか?
一般に教育には職場外で実施するOff JTと、職場内で実施するOJTがあります。後継者教育では、経理・財務知識やマネジメント知識・マーケティング知識などを体系的に学ばせる必要があるので、Off JTすなわち外部の専門機関で学ばせる必要があると考えます。当社でも、次世代経営塾後継者を開催させていただいております。まず、このような外部の専門機関で体系を学び、それにもとづいて、社内で経営者からOJTを受けて実践に結びつけるという教育方法がよいと思います。