事業承継とは?Q&A形式で簡単にわかりやすく解説1

事業承継とは?Q&A形式でわかりやすく解説1 事業承継とは何か

Q1.事業承継とは何ですか?

事業承継とは、ひとことで言うと、現在の経営者が後継者に対して、経営を引く継ぐことです。つまり、社長(代表取締役)の地位を継いでもらうことです。ただし、代表取締役になるためには、取締役会で選定される必要がありますから、後継者はまず取締役になって、確実に代表取締役に選定されるように諸条件を整備することだと考えて下さい。

Q2.事業承継は社長の地位を渡すだけでよいのですか?

事業承継で後継者を確実に社長(代表取締役)に選定して、その地位を安定的に維持させるためには、株式譲渡を行う必要があります。なぜならば代表取締役を選任する取締役を選任するのは、株主だからです。したがって、事業承継で後継者に経営権を渡すためには、株式を譲渡することが不可欠です。

Q3.事業承継はいつ頃から考え始めればよいですか?

経営者の最大の仕事は事業承継であり、事業承継に成功するためには、長期間にわたって対策を練る必要があります。したがって、いつ頃からと言われると、早ければ早いほどよいという答えになります。最初は漠然とでも構わないので、自分の引退年齢を決めて、そこから逆算して、いつまでに何をすべきかという計画を作成します。実際にやってみると、早くから着手する必要性に気付きます。

Q4.事業承継は社長一人でやるのですか?

上場企業などで資本と経営、すなわち株主と経営者が分離している場合は別ですが、オーナー企業では大株主イコール経営者ですから、事業承継については、すべて社長一人で最終決断をする必要があります。ただし、自分のことをできるだけ客観的な視点から考える必要がありますから、外部の信用できる専門家に相談することが望ましいです。

Q5.事業承継は誰に相談するのが適切ですか?

事業承継は、経営をトータル的に考えることが重要ですから、経営に詳しい経営コンサルタントを窓口にして、必要に応じて弁護士、税理士などのスペシャリストのチームを組んでもらって、相談にのってもらうのが理想的です。また、ある程度、構想が進んだ段階では、幹部社員、取引先、金融機関などに相談して、周囲の理解を深めてもらうことも考える必要があります。

Q6.事業承継で秘密厳守は必要ですか?

事業承継に当たって、取引先や金融機関に根回しをすることは大事なのですが、内定段階から根回しをするのはあくまでも子どもに譲る場合です。親族以外(遠縁も含めて)に譲る場合は、後継者が正式に決定するまでは秘密にしておいたほうが無難です。まして、M&Aの手法を取るときは、絶対に周囲に言わないようにします。

オーナー企業は社長の個人的な信頼度のウエイトが高いので、社長が辞めるという噂は経営に支障をきたすからです。社長が事業承継を決意してから、後継者を選定して、正式に社長の地位を譲るまでには、通常は5年くらいの期間を要します。その間は基本的には秘密厳守であり、親族から幹部社員というように、重要度に応じて、段階的に発表する人の輪を広げていきます。

Q7.事業承継の重要ポイントをまとめると?

事業承継の目的は、会社を社会的な役割を果たすために永続させることです。そのためには、信頼できる後継者を選び、後継者が思う存分に経営に取り組めるように、株主総会の特別決議の決定権を持てる構成比が3分の2以上になるだけの株式を譲渡しなければなりません。リスク要因を排除するためには、可能ならば100%の株式を譲渡することが望ましいと考えます。これが、事業承継に際して、最も重視する点です。

株式を譲渡するためには、株価が低い方が望ましいのですが、株価を下げると格付けが下がったり、損失が出たりするおそれがあるので、資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。それをいかにして防ぐのかも、事業承継の課題です。また、相続人が複数いる場合には、現金を残さないと、後継者に株式を集中贈与しにくくなります。そのためには、相続税対策が必要です。これらのバランスを取りながら、事業承継を成功させるためには、数年にわたる周到な準備と専門家からアドバイスを受けることが不可欠です。

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