事業承継に失敗する理由
『経営』を承継するという意識がなかった
事業承継には2つの要素があるのですが、その中で、『財産』を承継することだけを考えて、『経営』を承継するという意識が希薄だったことが、事業承継に失敗した企業の大半の理由です。会社を財産と考える発想からは、真の事業承継を行うことはできないのです。
企業価値を正確に分析していなかった
事業承継では、会社の価値をあらゆる角度から捉えて、デューデリジェンス(精査)をきちんと行うことが不可欠なのですが、この作業がまったくできていなかったか、あるいはいいかげんに行ったことにより、経営を継いだ人が、予測していなかった事態に直面して、経営が立ち行かなくなることが多いのです。
後継者の選定を誤った
ただ単に息子(あるいは娘)だからといって、安易に後継者に指名してしまったとか、長く務めていた従業員だから、会社を継がせたというように、会社を運営していく能力の有無を見極めないまま後継者に選定して、会社を継がせたために、結局は、経営していけなくなったというケースもよく見られます。
事業承継の準備を怠って、急にバトンタッチした
先代の経営者が何の準備もしていなかったのに、何らかの理由で急に会社を継がせることになったときは、失敗する可能性が高くなります。経営面からいうと、経営理念など先代の経営に対する思いが継げなかったことがあげられます。また、財産面からいうと、法律の手続きや税金対策が十分にできなかったことがあげられます。